IT業界の転職ではエンジニアとしてのスキルが十分に高ければ重宝されるのは確かである。しかし、特定の分野で高度なシステムを独力で開発できるようなスキルがある人や、デザイン系のスキルも兼ね備えていて幅広い活躍領域がある人でも転職に成功できずに苦労していることが少なくない。

エンジニアとしてのスキルがあるのは必要条件であって十分条件ではない。IT業界の転職を成功させるためにはビジネススキルが必要なのである。

業務上では特別に必要とされるわけではないのは確かだが、転職サイトを利用して転職するときには必須のスキルになっている。自分の能力を魅力的に伝える能力がなければならないのが基本であり、それができなければ採用されることはない。

その意味で志望先の企業と面接で交渉を行うときにも役に立つのがビジネススキルだが、それ以前から必要になっているために転職の成功の可否を分けるキーとなっている。転職サイトを利用するときにはエージェントとの駆け引きが重要であり、エージェントに仕事を紹介したいと思わせなければならない。

そのためには魅力的なエンジニアであると理解してもらい、あの企業からもこの企業からも求められている人材だと思ってもらえるようにする必要がある。自分の能力の伝え方次第でその印象が大きく変化するため、第一印象を重視して魅力を伝えることが欠かせない。

そのためのビジネススキルを獲得していることが転職の成功につながるのである。